「Would」は、日常的な会話や洋画・海外ドラマ・洋楽などでもよく聞く表現です。
ただ、
「『Would』の意味ってたくさんあってよく分からない……」
「実際、『Would』ってどうやって使えば良いの?」
そんなふうに思っている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回はそういった方へ向けて、「Would」の意味・使い方を、例文を交えながら分かりやすく解説していきます。
この記事を読めば、「Would」の意味や使い方を一通り把握することができるので、よく理解して英会話や英作文などで使ってみてくださいね。
目次
「Would」は助動詞:基本的な使い方
「Would」は、助動詞と呼ばれている単語のカテゴリーに含まれています。
以下のような単語を見てみると、「Would」がどんな使い方をされるのか、なんとなく把握することができるんじゃないでしょうか?
【助動詞】
Can Could Will Would Shall Should May Might Must
「Would」を含むこれらの助動詞は、基本的に動詞の前にくっついて、話し手の心情や捉え方といった+αの意味を付け加えます。
【例】
You must do your homework.(あなたは宿題をやらなければいけない。)
「Would」も助動詞の1つなので、意味・使い方の基本は同じだと思っておきましょう。
「Would」は2つの意味・使い方に分けられる
「Would」は、まず大きく2つの意味・使い方に分けることができます。
【「Would」の大まかな分類】
1. 「Will」の過去形の「Would
2. 現在を表す「Would」
「Will」の上で紹介した助動詞の1つで、「Would」はその「Will」の過去形としての働きを持っています。
また、過去というのは「現在から時間的に距離が離れている」ということを意味しますよね。
この「距離が離れている」というのが「心理的な距離が離れている」という意味を表すようになり、「Would」が「丁寧」や「不確実」、「仮定」という現在の意味を持ったんです。
以下では、「『Will』の過去形の『Would』」と「現在を表す『Would』」の意味・使い方を、詳しく見ていきましょう。
過去を表す「Would」の意味・使い方
過去を表す「Would」の意味・使い方は、主に2つあります。
どちらもよく見かける表現なので、必ず押さえておくようにしましょう。
①過去の習慣の「Would」:「よく~したものだった」
過去を表す「Would」の1つ目の意味は、「よく~したものだった」です。
【意味】
過去の習慣の「Would」:「よく~したものだった」
過去の習慣の「Would」は、昔によくしていたことや継続的に行っていたことに対して使い、「よく~したものだった」という意味を表します。
【例文】
He would (often) go fishing in the river when he was a child.(子供のころ彼はよく釣りに行ったものだった。)
「Would」の後に「often」を付けるとより習慣のニュアンスが出ますが、カッコにしてあるように付けなくても大丈夫です。
過去の習慣の「Would」は、「『過去によくやっていたこと』を表すのに使う」と覚えておきましょう。
②時制の一致の「Would」:動詞の過去形+Would
「Will」の過去形の「Would」の2つ目は、時制の一致の「Would」です。
【使い方】
動詞の過去形+Would
時制の一致というのは、メインの動詞の時制に合わせて、サブの動詞の時制も変わるという英語のルールのことです。
元々は「Will」だったのが、メインの動詞が過去形なので「Would」になるということですね。
【例文】
I said that I would do my best.(ベストを尽くしますと私は言った。)
このように、意味としては現在ですが形としては過去形の「Would」を使います。
ややこしくなってしまうと思いますが、単純に「時制を同じにするというルール」だと覚えておけばOKです。
現在を表す「Would」の意味・使い方
続いて現在を表す「Would」の意味と使い方を見ていきましょう。
現在を表す「Would」は、主に以下の5つの意味・使い方に分けられます。
①不確実の「Would」:「~だろう」
1つ目は、「~だろう」と訳す不確実の「Would」です。
【意味】
不確実の「Would」:「~だろう」
不確実の「Would」は、自分の意見に自信がないときや断言はできないというときに、「~だろう」という意味を添えます。
不確実の「Would」の例文を確認していきましょう。
【例文】
I would imagine he will be reelected.(彼が再選されるだろうと想像する。)
現在を表す「Would」の基本的なイメージは「心理的な距離」です。
上の例文では「彼が再選される」という出来事は事実から距離があるので、「Would」を使って表現しているんです。
②意志の「Would」:「~するつもりがある」
2つ目は、「~するつもりがある」という意味を表す意志の「Would」です。
【意味】
意志の「Would」:「~するつもりがある」
元々「Will」にも「~するつもりだ」という意志を表す意味がありますが、「Would」は少し弱めの意志を表す場合に使います。
意志の「Would」の例文は、以下のとおりです。
【例文】
I would go there and share your burden, whenever you call me.(あなたが呼ぶのであれば、私はそこへ行ってあなたの荷物を一緒に持つつもりですよ。)
ここでも「Would」の心理的な距離感が現れていることを感じ取ってみてくださいね。
意志の「Would」は、「『Will』よりも弱い意志を表す」と覚えておきましょう。
③丁寧の「Would」:「~させてもらいたい」
3つ目は、「~させてもらいたい」などを表す丁寧の「Would」です。
【意味】
丁寧の「Would」:「~させてもらいたい」
丁寧の「Would」は、よく相手に何かを丁寧にお願いするときに使われます。
【例文】
Would you call me again 30 minutes later?(30分後にかけ直していただけませんか?)
丁寧の「Would」は、簡単にいえば日本語の敬語・丁寧語と同じだといって良いでしょう。
目上の人やそれほど親しいわけではない間柄の相手には、「Would」を使ってお願いするとより丁寧ですね。
④希望の「Would」:「Want」の丁寧語
「『Want』の丁寧語の『Would』」も丁寧の「Wouldの」1つではありますが、使用頻度が高く慣用的な表現です。
「Would」は「like」「love」「prefer」などの動詞とくっついて、控えめな希望を述べる際に使われます。
【意味】
希望の「Would」:「Want」の丁寧語
一番よく使われるのは「would like」で、おそらく聞いたことのある人も多いでしょう。
【例文】
I would like to come to your party.(あなたのパーティに伺いたいと思っています。)
「Want」は「~したい」というストレートな表現なので、ときに「子供っぽい」と捉えられてしまうこともあります。
公の場などでは「would like」等を使った方が、より自然でしょう。
⑤仮定の「Would」:「もし…なら、~だろう」
最後に、「もし…なら、~だろう」を表す、仮定の「Would」を説明します。
【意味】
仮定の「Would」:「もし…なら、~だろう」
仮定の「Would」は主に、「If」や「Wish」と一緒に用いられることが多いです。
【例文】
I would go if I had time.(時間があれば行く。)
I wish you would give up smoking.(禁煙してくれないかなぁ。)
どちらも過去の話ではなく、現在の「仮定の話」をしているということに注目です。
「仮定の話」は現在の状況からは心理的に距離が離れているため、「Would」を使って表すんです。
「Would」の例文を映画のセリフで確認しよう
「Would」は映画でも良く出てくる表現です。
実際の会話で「Would」がどのように使われているのか、映画のセリフで確認してみましょう。
【Love Actually】
コリン:I have just worked out why I can never find true love.
(俺はなぜモテないのか分かったんだ。)仲間:Why’s that?
(なぜ?)コリン:English girls. They’re stuck up, you see.
(英国女はお高く留まっているんだ、分かるだろ?)And I am primarily attractive to girls who are, you know, cooler, game for a laugh. Like American girls.
(俺は陽気な女の子のほうが付き合いやすいんだ。アメリカの女の子のようにね。)So I should just go to America. I would get a girlfriend there instantly. What do you think?
(だから俺はアメリカに行く!そこならすぐに彼女ができるだろうよ。どう思う?)仲間:I think it’s crap, Colin.
(おめでたいよ、コリン)参考:『Love Actually』
【ノッティングヒルの恋人】
ウィリアム:Are there any circumstances in which two of you might be more than just good friends?
(あなたたち2人が良い友達以上の関係だった可能性はありますか?)アナ:I hoped there would be, but no. I’m assured there aren’t.
(そうだったら良かったですが、ないですね。ないと確信しています。)ウィリアム:I was just wondering if it turned out that Mr. Thacker realized he’d been a daft prick and got down on his knees and begged you to reconsider whether you would, in fact, then reconsider?
(もし、タッカー氏が愚かさに気付き、ひざまずいて考え直してほしいと頼んだら、あなたは考え直しますか?)アナ:Yes I believe I would.
(ええ、考え直すだろうと思います。)記者:How long are you intending to stay here in Britain?
(あなたは、いつまでイギリスに滞在するつもりですか?)アナ:Indefinitely.
(ずっといます。)参考:『Notting Hill』
「Would」と他の表現の意味・使い方の違い
ここまで説明したように「Would」には多くの意味があり、似た表現と混同されやすいので注意が必要です。
特に以下で紹介する3つの表現と混同しないように、確認して気を付けましょう。
「Would」と「Will」の違い
まずは、「Would」の現在形である「Will」との違いから確認します。
【「Would」と「Will」の違い】
「Would」:控えめ、丁寧、仮定、不確実性が高い
「Will」:不確実性は低い
「Would」と「Will」の違いは、上記のように主にニュアンスの違いです。
ほとんどの場面で同様の意味を表すことができますが、「Would」は「心理的な距離」を含んでいるので少しマイルドな表現になります。
「Would」と「Could」の違い
「Could」も「Would」と同じ助動詞で過去形ということもあり、似たような場面で使われることが多い単語です。
特に、「相手にお願いをする場合」にはほとんど同じように使われますが、ニュアンスが微妙に異なります。
【「Would」と「Could」の違い】
「Would」:「Will」の過去形。「~する意思があるか?」を尋ねている。
「Could」:「Can」の過去形。「(物理的に)~することができるか?」を尋ねている。
実際には、どちらで聞いても意図することは変わらない場合がありますが、ニュアンスが違うということを覚えておきましょう。
「Would」と「Used to」の違い
「Would」と同様の過去の習慣を表す表現に、「Used to」があります。
「Would」も「Used to」も同じ状況を言い表すことができますが、相手への伝わり方が違うので注意が必要です。
【「Would」と「Used to」の違い】
「Would」:「過去にはよく~したものだ(現在は分からない)。」
「Used to」:「過去にはよく~したものだ(現在はしていない)。」
どちらもの表現も現在には触れていませんが、あえて「Used to」を使うと「現在はやっていないけど、過去にはやっていた」というニュアンスが出ます。
まとめ
今回は、「Would」の意味・使い方を、例文を交えながら分かりやすく解説してきました。
ここでもう一度、「Would」の意味と使い方をおさらいしておきましょう。
過去の習慣の「Would」:「よく~したものだった」
時制の一致の「Would」:動詞の過去形+Would
不確実の「Would」:「~だろう」
意志の「Would」:「~するつもりがある」
丁寧の「Would」:「~させてもらいたい」
要望の「Would」:「Want」の丁寧語
仮定の「Would」:「もし…なら、~だろう」
この記事を参考にして、「Would」の意味や使い方を一通り把握し、英会話や英作文などで使ってみてくださいね。