・就活で使えるようにTOEICをやろうと考えているけれど、そもそもTOEICってなんだろう?
・TOEICではどのくらいの英語のレベルが必要?
こんな疑問を解消します。
TOEICは英語力を測ることができる試験。
「あの人は英語ができる」と言われても、いまいちどのくらいできるのかわかりませんよね?
では、
「あの人は100点満点中90点を取れる」
と言われたらどうでしょうか?
数値で表すことでどのくらい客観的に英語力がわかるようになったかと思います。
このように数値で英語力をあわらすことができるのがTOEIC試験です。
現在では大手企業の50%近くが採用や昇進時にTOEICを使っているというデータもあります。
グローバル化が進む中で今もっとも必要とされる資格の1つといってもいいのがTOEIC試験です。
TOEICで良い点数を取ることができれば今後のあなたのキャリアを有利に進めることができるようになります。
ただしTOEICの特徴を知っておかないとなかなか良いスコアを取ることは難しいです。
そこで今回はTOEIC試験の種類やレベル、高得点を取るためのコツなどについて解説していきます。
目次
『TOEIC』とは?
TOEICとは日本を含む150ヵ国で行われている“英語力測定テスト”。
運営はアメリカの非営利団体である『ETS』です。
公式でTOEICは以下のように定義されています。
“日常生活やグローバルビジネスにおける活きた英語の力を測定する、世界共通のテスト。 聞く・読む力を測る TOEIC® Listening & Reading Test と、話す・書く力を測る TOEIC® Speaking & Writing Tests により、4技能(聞く・読む・話す・書く)全ての英語コミュニケーション能力がわかります。”
2018年度のTOEICの総受験者数は266万人にも及ぶ世界的共通の英語試験です。
TOEICの種類
TOEICは大きく分けると「TOEIC Tests」と「TOEIC Bridge Tests」の2種類です。
さらに分解すると、
・TOEIC Tests:「Lisning & Reading」、「Speaking Writing」、「Speaking」の3つ
・TOEIC Bridge Tests:「Lisning & Reading」、「Speaking Writing」の2つ
に分かれます。
合計では5つの試験で内容は以下の通り。
内容 | 試験時間 | 点数 | |
TOEIC Listening & Reading Test | リスニング リーディング |
120分 | 100~990点 |
TOEIC Speaking & Writing テスト | スピーキング ライティング |
80分 | 0~400点 |
TOEIC Speaking テスト | スピーキング | 20分 | 0~200点 |
TOEIC Bridge テスト Listening & Reading Test | リスニング リーティング |
60分 | 30点~100点 |
TOEIC Bridge テスト Speaking & Writing テスト | スピーキング ライティング |
52分 | 30~100点 |
最も知名度が高いのが『TOEIC Listening & Reading Test』で、他の試験はそれほど認知されていません。
よく「TOEIC〇〇点」と言われるのは『TOEIC Listening & Reading Test』のことであると考えてよいでしょう。
『TOEIC IP』テストと『TOEIC Listening & Reading Test』の違い
「TOEIC IP」と「TOEIC Listening & Reading Test」の違いが少しわかりにくいので説明します。
通常の「TOEIC」は個人で受験するのに対して、「TOEIC IP」は団体で受けるTOEICテストのことです。
TOEIC IP | 団体用 |
TOEIC Listening & Reading Test | 個人用 |
例えば会社や大学で一斉に受けるTOEICが「TOEIC IP」になります。
「TOEIC IP」であっても結果の点数が「TOEIC Listening & Reading Test」と同じように利用することが可能です。
『TOEIC』と『英検』の違い
日本において英語力を図る試験には英検があります。
受験者数はどちらも約250万人程度でほぼ同数です。
ただ英検と違って「TOEIC」はビジネスに特化した実用的な英語になります。
受験者層も高校生以下が9割を占める英検に対して、TOEICは8割が21歳以上です。
『TOEIC』と『TOEFL』の違い
「TOEIC」を運営しているETSはTOEICテストの他にも「TOEFLテスト」を実施しています。
「TOEFL」はリーディングとリスニングに加えて、話す能力と書く能力も求められる総合的な英語テストです。
「TOEIC」と「TOEFL」の主な違いはスコアの用途。
主に「TOEFL」は海外での生活を考えている方向けになります。
そのため留学を考えている方以外は基本的に、日本国内で評価される「TOEIC」を受ける方がよいでしょう。
TOEICは就活に有利?
統計では現代のビジネスパーソンに最も必要なスキルは英語であると言われています。
グローバル社会において英語の需要はますます拡大するはずです。
このビジネスマンの英語力を図るために一番使われている資格が「TOEIC」。
大手企業を対象にした調査によれば、なんと49%もの企業が採用時にTOEICの点数を参考にしているとのこと。
『TOEIC』のレベル
「TOEIC」スコアの満点は990点です。
スコアごとのおおよそのレベルを紹介します。
TOEIC300点のレベル
TOEIC300点は中学レベルの英語が少し怪しいレベル。
英検でいえば3級程度です。
単語・文法の基礎が足りておらず、少し長い文章だと途端に読めなくなる人が多いのがこの300点台になります。
ただ「TOEIC」は受験英語と異なりビジネス系の話題が多いので、TOEICに慣れていないと300点台をとってしまうことはありえるでしょう。
300点から抜け出すためにはまずTOEICに頻出の単語と基礎英文法から学ぶ必要があります。
TOEIC400~500点台のレベル
TOEIC400~500点はまだ履歴書には書けないレベル。
英検でいえば準2級程度です。
初めてTOEICを受けた大学生などはこのあたりのスコアになることが多いでしょう。
このレベルには基礎的な単語や文法は身についているという方が多くいます。
受験英語にはあまり重視されていなかったリスニングTOEICスコア向上の鍵です。
TOEIC600点のレベル
TOEIC600点はようやくTOEICに慣れ始めたというレベルです。
英検でいえば2級程度。
このあたりなれば履歴書にも書けるようになります。
学生であればまずはこの600点を目標にするとよいでしょう。
企業も新卒の学生に求めたいレベルとしてあげることが多いのがこの600点です。
TOEIC700点のレベル
TOEIC700点はTOEICの中級者レベル。
英検でいえば2級と準1級の間くらいです。
このあたりになると周りからも「英語ができる人」とみなしてもらえるようになります。
転職時にはこの700点を持っていると強みになるでしょう。
TOEIC800点のレベル
TOEIC800点はTOEICの上級者レベルです。
英検でいえば準1級程度。
楽天が社員に課しているのがこのTOEIC800点になります。
800点を超えるにはTOEICで一番難関といわれるPart7の長文問題をできるようになる必要があります。
TOEIC試験の内容
TOEICはリスニング495点、リーディング495点の合計990点満点の試験です。
時間はそれぞれリスニング45分、リーディング75分で合わせると合計で120分という長丁場の試験。
試験はPart1からPart7に分かれています。
Part1からPart4までがリスニング問題、Part5からPart7がリーディングの問題です。
それぞれのPartについて解説していきます。
TOEIC試験のリスニングパート(Part1~Part4)
Part1からPart4はリスニングの問題になります。
それぞれのPartの特徴をみていきます。
TOEIC試験 Part1の特徴
種別 | 内容 | 問題数 | 難易度 |
リスニング | 図表説明 | 6問 | 易しい |
Part1は図表の聞き取り問題です。
問題文には写真が貼られています。
その写真を説明する音声が流れるので、適切に説明している選択肢を選ぶという問題です。
難易度としてはTOEICの中では簡単ですが、Part1に特有の単語が出てきます。
コツはPart1に頻出の単語を”図解”で覚えること。
例えば「pile up(積み上げる)」や「curb(縁石)」などはPart1にのみよく出てくる表現ですが、図と一緒に覚えておかないと音声が流れた際にうまくイメージができません。
Part1に頻出の英単語に関してはGoogleの画像検索をうまく活用して覚えるとよいでしょう。
TOEIC試験 Part2の特徴
種別 | 内容 | 問題数 | 難易度 |
リスニング | 応答問題 | 25問 | 中 |
Part2は応答文の聞き取り問題。
例えば以下のような問題があります。
質問文「where are you from?」
A:from Japan(日本です)
B:I like Sushi(私はお寿司が好きです)
C:I don’t know(わかりません)
この場合はAが正解になります。
Part2で特に重要なのは最初の疑問詞を聞き取ること。
他にも、
・曖昧な返答は答えになりやすい
・同じ音が選択肢になればそれは誤答になりやすい
といったテクニックもあります。
TOEIC試験 Part3の特徴
種別 | 内容 | 問題数 | 難易度 |
リスニング | 会話文 | 30問 | やや難 |
Part3は会話文のリスニング問題。
複数人(基本は2人)の会話を聞いて、内容に沿った回答をする問題です。
難易度はリスニングパートの中では高めで、文章が長いことから苦手意識を持つ方も多いです。
Part3では先に何が聞かれるのかを把握する「先読み」と呼ばれるテクニックが有効です。
理由はPart3は文章が長く全てを正確に聞き取ることは難しいため。
特に絶対に先読みしておきたいのは「曜日」などピンポイントな情報です。
目的を問うような質問文であれば会話の全体を把握しておけば後からでも推測で解けます。
しかし「イベントがあった曜日」のようにピンポイントで聞かれる問題は聞き逃してしまうとアウトです。
そのため先読みで把握していくことが大切になります。
この先読みについては以下で解説しています。
TOEIC試験 Part4の特徴
Part4はPart3同様に長めのリスニングの問題になります。
難易度もPart3とほぼ同じです。
一点違うのは語り手が一人であること。
Part4もPart3同様に先読みが重要です。
またPart4では問題文に「~に関して」というのがあらかじめ書かれているので必ず目を通すようにしてください。
ここを知っておくことである程度内容が予測できます。
TOEIC試験のリーディングパート(Part5~Part7)
Part5~Part7はリーディングパートです。
このリーディングパートはとにかく問題数が多いので時間との戦いになります。
僕のリーディングパートは8割ほど取れているのですが、未だに全問解けたことはありません。
なおPart7の問題を解ききれずに適当にマークすることは「塗り絵」といわれます。
リスニングと違い、リーディングでは時間配分がかなり大切です。
具体的には以下の時間配分が理想的です。
Part5:15分
Part6:10分
Part7:50分
時間配分について詳しく見たい方は以下を参照してください。
>>TOEICの時間配分を徹底解説!
それぞれのPartを解説します。
TOEIC試験 Part5の特徴
種別 | 内容 | 問題数 | 難易度 |
リーディング | 文法問題 | 30問 | 易 |
TOEICのPart5は文法問題です。
全部で30問あります。
難易度は比較的簡単でしっかり読み込めば答えはわかる問題が多いです。
もしじっくり読んでも解けない場合には基礎的な文法が怪しい可能性があるので、中学レベルの文法書を復習したほうがよいでかもしれません。
part5で重要なのはとにかく速く解くこと!
問題自体は簡単なため、ただ正解するだけでは差別化になりません。
いかに正確に早く解けるかが勝負になってきます。
目標タイムとしては1問30秒で、合計15分で解くのが理想です。
Part5は10種類ほどでパターンが決まっているので、数をこなせば誰でも速く解けるようになります。
TOEIC試験 Part6の特徴
種別 | 内容 | 問題数 | 難易度 |
リーディング | 文法・長文複合問題 | 16問 | 中 |
Part6は少しだけ長めの文法問題。
Part5は文法問題、Part7は長文問題ですが、その中間のような問題です。
Part5では空欄前後だけで取れる問題も多いのですが、Part6の場合は文脈に応じた回答が求められます。
1つの文章につき4問あり、
・3問が短い空欄穴埋め
・1問が長めの空欄穴埋め
となっています。
長めの空欄穴埋めはやや難しいため、時間がない場合は3問の短めの問題だけを解くことも有効です。
TOEIC Part7について
種別 | 内容 | 問題数 | 難易度 |
リーディング | 長文問題 | 48問 | 難 |
TOEIC最大の鬼門がPart7。
非常に問題数が多いのが特徴で全部で48問あります。
種類は以下の3つ
・シングルパッセージ:1つだけの文書のシングルパッセージ
・ダブルパッセージ:2つの文書から推論して答える
・トリプルパッセージ:3つの文書から推論して答える
Part7の点数は文章を読み込んだ量に比例します。
とにかく慣れが重要なため毎日1問は長文問題を解くといった対策が重要です。
スコアをあげるにはPart7の対策は最後でいい
Part7はTOEICの中でも1番難しく、すぐに点数をあげることは難しいです。
あまり長文対策はしなくても、他で点が取れれば700点以上は狙えます。
800点以上の高得点を目指す人以外であれば、まずはリスニングなどの点数を伸ばしやすいパートから対策をすると効果的です。
TOEICで高スコアを取る方法
TOEICでは同じ時間の学習でやり方次第でスコアの伸びが大きく異なってきます。
1つ知っておきたいのはTOEICではリーディングよりもリスニングの方が簡単であるという事実です。
これはデータにも現れています。
リスニングの方が点数が低いのは学校の教育では読み書きが重視されてきたことも大きな要因の1つです。
学校で習ったのはほとんどが読んだり書いたりすることであったという経験の方も多いのではないでしょうか?
そのためTOEICではある程度リーティングはできるがリスニングは苦手という方が多いです。
ただし逆に言えば今までやっていなかった分、少しやるだけでも大きな改善が望めるのがリスニングの特徴。
正直筆者も初めてリスニングの問題をやった際には何を言っているのか全く聞き取れませんでした。
ただTOEICのリスニングは文章が難しくないため、少し練習すれば聞き取れるようになります。
リスニングのコツはある程度省略されてしまうという事実を知ることにあります。
例えば「will」は「うぃる」「ぉ」と聞こえます。
名詞などは省略されにくいですが、助動詞などの重要でないと見なされる表現は省略されやすいです。
この辺りは明確な決まりはなく、発音する人によっても違います。
筆者は「自分には〇〇と聞こえた」というのをノートなどに書いていったところ8割以上点数を取れるようになったので、ぜひ試してみてくださ
い。
リスニング対策にはアプリが効果的
またもう1つリスニングで点数を取るコツをお伝えします。
それは「アプリで学習すること」です。
スマホは誰しもが持ち歩いていることから、アプリであれば非常に気軽にリスニングの練習ができます。
またスマホの特性を生かした繰り返し機能などもあるので、従来のリスニング学習よりも効果的な学習が可能です。
筆者は通勤時間でゲームをやってしまう時間をアプリによるリスニング学習に変更しただけで8割を超えるようになったのでぜひ試してみてください。
>>【2020年3月最新版】TOEIC学習におすすめなアプリ11選!
TOEIC試験まとめ
ここまでTOEICについてみてきましたがいかがだったでしょうか?
最後にTOEICについてまとめておきます。
・TOEICには5種類あるが、基本的には「TOEIC Listening & Reading Test」のことをTOEICと呼ぶことが多い。
・TOEICはビジネス英語のため受験者に高校生以下が多い英検とは異なり、20代以上の受験者が大半を占める。
・受験英語と異なりリスニングの比重が大きいため、まずは聞き取りを強化するとスコアアップがしやすい。
TOEICで高得点を持っている思った以上に周りから評価をされるため、非常にコスパのいい資格です。
また数値で結果がわかることから英語学習をする上での英語学習をするうえでのモチベーションにもなります。
ぜひTOEICを始めてみてはいかがでしょうか?
この記事が参考になれば幸いです。